誰かが私を呼んでいる いにしえからの人形たち しずまりかえった古い街道をでこが 一杯竝んでる|近江の伝統郷土人形 小幡でこ

三百年の歴史

「小幡でこ」は約300年前に細居家の先祖である初代・細居安兵衛が伏見人形をまねて作ったのが始まり。

京通いの飛脚をしていた安兵衛はたびたび追いはぎに遭い、その弁償費用がかさむことに頭を悩ませていた。そこで当時人気のあった「伏見人形」を学び、人形師に転職、「小幡でこ」を生み出した。中山道沿いに家があったことから土産物や子供のおもちゃとして人気が高まり、明治初期までは同業者が4~5軒もあったという。しかし時代とともに後継者が減り、現在「小幡でこ」を制作するのは本家の細居家ただ一人となってしまった。

 

細居家略系譜
初代 安兵衛 寛保3・4・27没
二代目 七之助 生年・没年不詳
三代目 五左衛門 文化5・4・7没
四代目 源助 慶応4・4・26没
五代目 元右衛門 細居の性を名乗る
明治24・8・20没
六代目 文七郎(養子)文久1・10・16生
明治42・7・22没57歳
七代目 源助 明治12・8・18生
昭和13・2・16没65歳
八代目 文蔵 明治45・1・22生
平成1・10・18没77歳
九代目 源悟 昭和14・1・27生
現在家元頭首
十代目 禎浩 昭和42・8・3生
修行中

「でこ」という言葉は「土人形」のことを指します。江戸時代から明治時代にかけて、土人形のことを「でこ」と呼び、五個荘小幡町で作られる「でこ」のことを「小幡でこ」と呼ぶようになりました。最近では「でこ」という言葉の代わりに「人形」という言葉を使い、多くの皆さんになじんでもらえるよう「小幡人形」とも呼ぶようになりました。

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